ゆうきちのブログ その2

福岡在住の3児の母が日々のつれづれを綴ります。

長女の北米ホームステイ

母の49日から100ヶ日まで終わり、季節は立冬を迎え、暦の上では冬になった。

紅葉も見頃を終え、朝晩の冷え込みは厳しい。

そんな今日この頃だが、色々と一段落ついたので夏休みに遡っての備忘録。

7/22~8/19までの約3週間、長女がラボ・パーティーの国際交流企画で北米テネシー州へのホームステイを経験した。

長男は中学2年生の時にオハイオ州へ。

長女も2年前に中学2年生でのホームステイを希望したが、コロナ禍で叶わなかったため2年遅れての参加となった。

準備期間に8ヶ月を要する計画であったため高校受験と重なり、スケジュール調整がとても大変だった印象。

しかし、昔から何かと要領の良い長女のこと、受験をクリアしたあとは高校生活を送りながら自己紹介アルバム作りや素語りの練習、英語劇の準備、事前活動、お土産作りや荷造りなどを猛スピードでこなし、なんと出発10日前には人生初のコロナウイルスに感染したがギリギリで完治し、「これで現地でかかる心配ないね」と余裕の表情で旅立っていった。

中学2年生で旅立った長男に比べたら、事前準備やホストファミリーとのやり取りにほとんど親の介入は必要なく、寂しいくらいだった。

ただ、3週間一切スマホを触れない生活のため、長女の安否確認はホストマザーからの『無事に我が家に到着しました』のメールを境に絶たれ、あとは祈ることしかできなかった。

高校生と言えど初めて訪れる国で家族の一員として『生活』することがいかに大変かは想像に難くない。

ホストファミリーの家族構成は音楽教師の両親と17歳、15歳、13歳の三姉妹と愛犬。

庭で野菜を栽培したり鶏を飼育している長閑な一軒家で、マザーや姉妹達はソーイングブラスバンド、料理が得意とのこと。

長女が日本から持って行ったのは英日で書かれた和食の料理本、英訳した怪談絵本、千羽鶴、折り紙、浴衣やカンザシ、箸、ソーメン、めんつゆ、お菓子、文房具、けん玉、抹茶セット等など。

おしゃれが大好きな長女らしく着物の歴史を自由研究のテーマとして選んで一冊のノートにまとめ、浴衣の着付けや襷掛けが出来るようになって行った。

長女を送り出したあとこちらでは、母の初盆の準備や長男の大学受験のサポート等で多忙な日々だった。

帰国した長女を空港で出迎えた際には、その表情の晴れやかさと肌艶の良さから、異国の地でしっかりと自分らしく生活してきたことが見て取れた。

現地で2週間学校に通ったこと、ホストファミリーと良い面悪い面含め家族として濃い時間を過ごしたこと、日本の文化をしっかりと伝えたことなど沢山話してくれた。驚いたことに、英語でのコミニュケーションにはほんど困らなかったとのこと。

相手の言っている事はほとんど理解できたという。

ただし、自分の言いたいことを伝える際には語彙力が足りずに苦労したことも多少はあったとのこと。

しかし、帰国した今でも日本の友達のようにホストシスターらとインスタグラムでやり取りをしている長女のボーダーレスな感覚に若さゆえの柔軟さを感じる。

ホストファミリーは日本人の受け入れが初めての家庭であったせいか不慣れな対応もあり、長女は寂しさから泣いた日もあったそうだが、最後は名残惜しいお別れを経験し、双方にとって忘れられない経験となったようだ。

長女が素語りをした「ぐるんぱの幼稚園」は「私達姉妹の今までで一番好きな物語になった」と喜んでくれたようだし、彼女が学校や団体活動で出会った人達は「◯◯(長女)はどうしている?」としきりに近況を聞いてくれたり、「私達も日本人の受け入れをしたい」と言ってくれるようにまでなったそうで、親としても行かせた甲斐があった。

中学2年生ではなく高校1年生で行ったことの意味として、彼女はただ「人間」として…ではなく「日本人」として国際交流ができたのだなと思った。

長男の際にはホストマザーが初めて彼に会った際のメールに

He's such a wonderful kid!

…と書かれていたが、3週間後彼を送り出した際のメールには

He's such a wonderful person!

と書いてくださっていて、彼が一人の人間として国境を超えて家族に認めてもらえたのだと胸が熱くなったのを覚えている。

ただ、「もう少し日本の文化について教えてほしかった」とも言われたようで、国際交流としては不完全燃焼感は否めなかったので、長女でリベンジを果たせたことは親としては満足。

長女自身は「良い経験になったけど、留学したいとは思わない。忙しいけど今の日本の高校生活が気に入っているし、将来の夢のために理系に進みたいから英語の道には進まない」とのこと。

今後変わるかもしれないが、今のところはそんな考えの長女。

ただし、英語の成績は上がり、英語に対する苦手意識は格段に下がった様子。

この経験を機に、これから先も人種の壁を超えてコミュニケーションがとれる地球市民の一員として活躍してくれることを願っている。